第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会3回戦、レッズレディース、三木総合防災公園陸上競技場でノジマステラ神奈川相模原戦。
近年のリーグ成績とこの皇后杯(全女)の成績をまず振り返ってみる。
2009 優勝→ 決勝 ベレーザ2-0●
2010 2位→ 決勝 INAC神戸 1-1(PK3-2)●
2011 3位→ 準々決勝 新潟L 1-0●
2012 4位→ 準決勝 INAC神戸 1-0●
2013 6位→ 3回戦 吉備国大 2-1●
2014 優勝→
レッズのリーグ成績が下降線をたどるのと入れ代わる形で2010年度からINACが4連覇中なのである。
と、それだけ書いて深いツッコミはせずに(おいおい)、会場はついに女子サッカー界屈指の秘境、みきぼう、である。公共交通機関で行き来するのを旨としているにっきさんだが、この初めての秘境には早々に心が折れ、行きはご好意で得た自走に便乗させて頂いた。前泊していたのでJR垂水駅8:30集合、楽勝である。多謝。
空気がおいしい。キャベツとか高原野菜がよさそうである。高地で紫外線量が多いのか後から見たら日焼けしていた。そろそろ刺されそうなので止めにしておくが陸上トラックがある割りには見やすいスタンドである。
10時開場。一応、百人程度の待機列ができていた。
第一試合はINAC神戸レオネッサとASハリマアルビオンの対戦。仙台で勝っていればレッズレディースユースがここへ駒を進めてくる組み合わせだったのでこの時間に来ましたが何か?兵庫同士ということで1,206人の入場者数。
レッズの皇后杯はこの3回戦から。今季はリーグ最終節からネスレカップ3試合を挟んだので試合勘には不安がないものの、故障者はピーク。
スタメンは次の通り。
直近のネスレカップ3決・湯郷戦からは右SBを堂園に代えて臼井を入れる変更を施した。ベンチ5人のレギュレーションで、その堂園をユーティリティプレーヤーとして、GKは2種登録の松本真未子、DFは石井、MF泊、FW清家。移籍が発表になった大滝は登録は残っているようだがすでに渡仏済み。
一方ノジマは次の通り。
GK 21 小林詩織
DF 3 後藤麻衣香
DF 5 吉田彩香
DF 8 坂本珠梨
DF 15 長澤まどか
MF 6 瀬戸口 菜
MF 9 尾山沙希
MF 10 大宮玲央奈
FW 14 金井奈苗
FW 16 井上友利恵
FW 19 南野亜里沙
今季チャレンジリーグ3位で惜しくも昇格には手が届かず。この皇后杯は1回戦が岡山県作陽高校を3-2、2回戦を聖和学園高校を3-1で下しての進出。その聖和戦からはGKを南条から小林へ代えてきた。改めて記すと、10番大宮玲央奈はレッズレディースユース出身。中盤の底、アカデミー出身の吉見夏稀と守備の要寺田玲子は欠いたまま。公式戦では初対戦。
横断幕の設置場所はゴール裏下と上の手すり。幕の下部をグラウンドレベルでは止められないので両脇と連結しつつハトメから紐を伸ばして裏に回して手すり縦棒に結ぶしか方法がない。よって下部の紐は長目(1.5メートル以上)の方が良かった。そこそこ風が吹き付けるので数枚捲れ上がったり破けてしまったものまで出た。秘境どころか魔境である。予定通り14時キックオフ。ホーム側はレッズだが、なぜか白のアウェイユニ。
レッズがじっくりボールを回して攻める。16分左CKを和田が蹴り、吉良が頭で合わせて先制。25分に中央をワンツーで柴田が抜け出してシュート。その後は少しペースダウン、前半はこの2点のみ。
後半も同じようにレッズペース。56分にFKからの混戦を齊藤が押し込んで3点目。64分に和田→堂園で右SBの位置に入り、臼井が左。齊藤→清家の交代もすぐに行って、76分にカウンターで清家がドリブルで進みその左を走っていた後藤に出し、左足でループシュートを決めて4点目。
加藤→泊で3枚目の交代カードを切るとその泊から中盤で清家に出しドリブルでDFを置き去りにしてからシュート、これがファーのポストに当たったがまっすぐまた清家の前に戻ってきて難なく詰めて5点目。さらに再び泊が中盤で受けてから内に進んで堂園の上がりを促してから渡すとゴールライン際まで進んでグラウンダーのクロス、ニア飛び込んだ後藤がスルーして中に走りこんだ吉良が決めてこの試合2点目。これは今季加藤の得点パターンだがこの時は左SHに位置してた吉良も変わりなく同じことができた。終了前ノジマにCKを与えてシュートを打たれたがしっかり守りきって6-0で終了。
第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会 3回戦
2014年12月13日(土)14:00キックオフ・三木総合防災公園陸上競技場
浦和レッズレディース 6-0(前半2-0) ノジマステラ神奈川相模原
得点:16分 吉良知夏、25分 柴田華絵、56分 齊藤あかね、76分 後藤三知、81分 清家貴子、83分 吉良知夏
GK 池田
DF 臼井、乗松、高畑、和田(→64分 堂園)
MF 齊藤(→68分 清家)、柴田、岸川、加藤(→79分 泊)
FW 吉良、後藤
SUB 松本、石井
入場者数:451人
公式記録で前半7本、後半18本のシュート数が示す通り終始圧倒。ノジマはチャンスらしいチャンスは終了間際の数分間で、前半レッズゴール側のボールパーソンが日なたで意識不明になるほど(違)。高い位置で囲んで奪う、ロストした後のカバーに戻る意識が自然にできていた。守り一辺倒で疲労が溜まった70分過ぎに清家、泊が投入されるとか容赦なし。セットプレー、中央突破、サイド攻撃、カウンター、と多種の得点パターンでチームとしてまた進化した姿を表現した。
INAC戦で「恐らく今季最高の内容」と記した柴田は、ボランチを4試合経て完全に自分のものにしてしまい、藤田、猶本が戻ってきてもここで、と思わせる出来。乗松と高畑は縦パスの意識が上がり、そもそも出せる選手であるし後藤や柴田などのしっかりした目標もあるので今後もここを基点にチャンスが生まれそう。泊は完全に学生時代の切れと躍動感を取り戻しており、後半途中からの起用ばかりだが岩倉三恵後に途中から出てきて流れを変えられる選手がいなかったレッズにとっては貴重な存在となっている。
第一試合や翌日の選手がスタンドを普通に歩き回って談笑する姿を見るのも皇后杯ならではの光景。彼氏とかはどうでも良かったけれど。運営がリーグよりは牧歌的になるのはやむなしだが、INAC公式の方から先に出た試合案内リリースのスピード(1回戦開催時にはなかった無料シャトルバス運行や飲食売店の新情報があった)と、どういうシステムになっているのか交代で出た和田奈央子を表示すべきところを1回戦に出場した清水第八の13番肥留川海生と表示されてしまったのは書いておく。
というわけで帰路は退出を促されつつそのシャトルバス(マイクロバス)で緑ヶ丘駅まで送られる。次のバス組も結局駅で合流して神戸電鉄に乗り込み鈴蘭台や湊川で流れ解散しつつ新開地経由で三宮駅の居酒屋で激しく行われた反省会に潜入した。
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皇后杯3回戦の結果は次の通り。
浦和 6-0 ノジマ
伊賀 3-1 AS埼玉
I神戸 4-0 ハリマ
藤枝順心高 0-4 ジェフL
日テレ 9-0 愛媛L
常盤木 0-4 新潟L
ベガルタ 5-0 アンジュ
日体大 1-3 湯郷ベル
観戦していたI神戸-ハリマ戦は田中明日菜が戻ってCBへ。フォーメーションは
海堀
甲斐 三宅 田中明 南山
中島
澤 増矢
京川 高瀬 川澄
に見えた。前半ゴール前中央でできた混戦を京川に蹴りこまれた1点に押さえてハリマペースに持ち込めたかに見えたが、後半開始早々高瀬を自由にしてしまい打たれたミドルが左隅に、ゴール前のFKを中島に、と立て続けに失点してハリマが流れを失って結果4-0でI神戸の勝ち上がり。ハリマのGK切畑は改めていい出来でU-23呼ばれますように。
後半開始前に判定について審判団に文句を言わせるほど高瀬をCB陣が封じていたのだがやはり攻撃力が今後の課題か。途中交代になった川澄がベンチに寄らずにロッカールームに直接行ってしまったのと、熊田監督の定年前に畑違いの競馬場勤務になって途方に暮れる経理課長みたいな風情を目の当たりにするのは他人事ながらどきどきするので非公開にしてほしいところ。ま、寒いから手はポケットに入れたまま代わりに足をドンドンと踏み鳴らしてうるさかったINACタオマフのお兄ちゃんに俺もイラついてたからそういう時もあるよね。
福元が負傷して布志木をGKに抜擢した湯郷が先制されながらも逆転して勝ち上がり。その他はなでしこリーグのチームがきっちり勝ってベスト8に進んだ。レッズの次の対戦相手は伊賀。数日前に今季限りの引退を表明した山郷のぞみのエルフェンが勝ち上がってきての古巣対決も期待されたが、FW起用のミューウィが2得点とか乗松先輩がかなり楽しみにしてそうだな。
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新時々日記
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